2024.11.27
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アルツハイマー病のスクリーニング法
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の予想では、65歳以上の認知症患者数は、2025年には約675万人(5人に1人以上)になると予測されています。加えて、認知症患者1人に対して平均3人の介護人が必要とされ、将来1,000万人以上が介護に関わる必要があると予想されているとか。こうした背景から、慶應義塾大学病院メモリーセンターらの研究グループは、「簡便な認知症サインと質問セットによるアルツハイマー病のスクリーニング法を確立した」と発表しました。具体的には、認知症患者の臨床的徴候と簡単な質問セット(病識:consciousness(C)、 楽 し み :pleasure(P)、 ニ ュース:news(N)) で、脳内のアルツハイマー病病理を予測できるということです。ご存知のように、「レカネマブ」という、日常生活の質の低下を抑制できる初めての抗アミロイド抗体薬が正式に承認されましたが、現時点ではその適応は軽度認知障害と軽症アルツハイマー病のみに限定されています。したがって、より早期の認知障害を効率よく発見する必要性がある訳です。因みに、アルツハイマー病の臨床診断は、神経心理検査、頭部MRI検査、脳血流検査などでアルツハイマー病が疑われ、次にアミロイドPET検査や脳脊髄液検査を行うことで確定診断に至りますが、いずれも、専門医、設備の整った施設を必要とし、高価であったり、侵襲が高かったりするため簡便に診断できるわけではありません。こうしたことから、本研究グループは、「アミロイド/タウPETと血漿中アルツハイマー病バイオマーカーを測定するとともに、認知症サインと名付けられた簡単な質問セットによって、アルツハイマー病に対する早期発見、早期治療介入に努めたい」と結んでいます。
画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM