港区立高輪いきいきプラザ

2024.11.22

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E型肝炎ウイルス(HEV)と抗体検査

E型肝炎ウイルス(HEV)の感染によって引き起こされる急性肝炎を「E型肝炎」と呼びますが、主として食べ物(十分に過熱していない豚やシカやイノシシ肉)から経口感染します。そして、ごく稀にですが、感染者の口からの飛沫でも感染することがあるそうです。加えて、汚染された飲料水などを介し大規模な流行を引き起こす場合もあるとか。さて、本題です。年間の感染者数は約2,000万人と推測されているこの病気に対して、一般的に、ウイルス自体を検出するPCR検査がゴールドスタンダードですが、費用や技術の制約で利用できない国や地域があるとの観点から、広島大学 大学院医系科学研究科疫学・疾病制御学らの研究グループは、その病気の診断において「抗体検査が有効であることをメタ解析によって明らかにした」と発表しました。そのメタ解析によれば、HEV IgM抗体の感度は83%、特異度は98%であり、HEV IgG抗体の感度は74%、特異度は89%となり、共に高精度であったそうです。本研究グループは、「その精度の高さからHEV IgM ,IgG抗体検査はPCRの代わりとして感染診断法としての利用が期待できる」と述べ、今回の研究の成果により、「専門的な設備技術が不足している地域でも抗体検査を行うことでHEVの早期発見が可能になり、適切な治療と重症化の予防につながる。また、衛生対策を早期に講じることで感染拡大の防止にも貢献できるだろう」と結んでいます。

【研究成果】急性肝炎の原因となるE型肝炎ウイルス(HEV)の診断において、抗体検査が有効であることをメタ解析によって明らかにしました | 広島大学

 画像はプレスリリースを引用させて頂きました。高輪いきいきプラザ SM

 

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