2024.11.20
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高齢者の最適な体格は?
早稲田大学スポーツ科学学術院、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所らの研究グループは、「高齢者の健康寿命延伸のための最適な体格」とは何かを示すために、65歳以上の地域在住日本人高齢者10,232名を対象に、「体格の指標であるBMIと障害生存期間との関係を検討し、やせの者は介護認定を受ける前に死亡する可能性が高く、肥満者は障害生存期間が長いこと、およびフレイルを有する肥満者が最も障害生存期間が長いことを世界で初めて報告した」と発表しました。具体的には、「フレイルおよびフレイルでない高齢者どちらにおいても、体格の指標であるBMIが22.5–23.5 kg/m2で最も介護認定を受けるリスクが低いこと」と「BMI<18.5 kg/m2の者(やせ)は、介護認定を受ける前に死亡する可能性が高く、一方でBMI ≥27.5 kg/m2の者は障害生存期間が長いこと」を明らかにしました。つまり、「やせ」は寿命が短く「肥満」は障害生存期間が長い事を証明したというのです。ただ、BMIを高くしてもフレイルに関連して増加する介護認定リスクを完全に相殺できないことも示しているとのこと。これはフレイルを有する高齢者では最適なBMIを達成することよりも、フレイル度を改善することを優先する必要があることを示唆していると述べています。これらのことから、フレイルの早期発見と生活習慣改善等の介入が必要であると結んでいます。
高齢者の健康寿命延伸に最適な体格は? – 早稲田大学 研究活動