2024.11.20
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採血を必要としないがんの検知技術とは
採血を必要としないがんの検知技術への応用として、「尿中のエクソソームのマイクロRNAを機械学習解析し、早期がん検知を達成」と発表したのは、東京科学大学生命理工学院 生命理工学系らの研究グループです。「エクソソーム」というのは、全ての細胞が放出する微粒子(直径40-200 nm程度)であり、細胞と細胞がコミュニケーションする時の情報伝達物質として体内で機能しているそうです。加えて、マイクロRNAはエクソソームによって運ばれる情報だとか。そして、がん細胞が放出するエクソソームに含まれるマイクロ RNA は体内のがんに関連するサインであると考えられるそうです。さて、本研究グループは、「血液中のエクソソームは全てが細胞間のコミュニケーションに用いられずに一部が尿中へ排出されるという仮説」に基づき、尿中のエクソソームのマイクロRNA解析を実施。そこで、尿中エクソソームのマイクロRNAを機械学習解析したところ、早期がん患者を識別できることが分かったということです。本研究の成果によって、「肺がん・脳腫瘍・非がんの3者の識別だけではなく、肺がん・大腸 がん・子宮内膜がん・腎がん・白血病・リンパ腫・膵がん・前立腺がん・胃がん・尿路 上皮がん・非がんの11者の識別の可能性も見えてきています。がん種の拡大のみならず、がんの発症前後のマイクロRNAアンサンブルの比較などを経て、がん早期発見を確かなものとする技術開発へと進展させていきたい」と結んでいます。