港区立高輪いきいきプラザ

2024.11.19

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人を10年若返らせたら賞金1億ドル・・・不老長寿への挑戦

不老長寿や健康寿命を長くするという挑戦が熱くなっています。アメリカ合衆国のXプライズ財団(非営利組織、ピーター・ディアマンディス代表)が、2030年までに健康寿命を延ばすことができた研究に対して1億100万ドル(日本円で140億円あまり)を支払う」というコンペを発表しました。

MIT Tech Review: 10年若返らせたら賞金1億ドル、Xプライズ財団が新コンペ

優勝者は2030年までに、認知、免疫、筋肉機能という3つの重要な領域において、自らの治療介入によって、高齢者の時計の針を少なくとも10年は巻き戻せると証明しなければならない」とされています。

エントリーが始まると、各国の大学や製薬会社など、411チーム(8月27日時点)が早速、開発競争に名乗りを上げました。

「少なくとも10年間、目標としては20年間、『筋肉』、『認知機能』、『免疫機能』の回復を実証すること」。財団のガイドラインによると、大きな病気や障害のない65~80歳の人を対象に、1年以内に治療を実施することが求められています。賞金は、10年回復させたら6100万ドル、15年回復させたら7100万ドル、20年回復させたら8100万ドルと、予想される加齢に伴う機能低下に対し、機能改善の大きさに応じて決定されるとしています。

不老長寿のアプローチとしては以下の4つに分けられるということです。

  • 1. 血液交換: 血液中に含まれる病因物質を除去して、健康な血液に入れ替える
  • 2. 代謝のコントロール: カロリーを制限する物質をサプリメントや薬から摂取する(カロリー制限は老化を防ぎ、寿命を伸ばすことが証明されている)
  • 3. 老化細胞の除去: 炎症物質などを出す老化細胞をサプリメントや薬で除去する
  • 4. 細胞のリプログラミング:薬によって細胞組織を胎児のような状態に戻す

また別に、昨今活用が広がっている対話型AI・・・ChatGPTを開発したOpenAIという会社の最高経営責任者であるサム・アルトマンという人が、人間の健康寿命を10年延ばすことを目指す企業、レトロバイオサイエンス1億8000万ドル(現在レートで約280億円)を投資したというニュースもありました。

ChatGPTを作ったOpenAIのCEO、長寿研究のスタートアップに約2億ドルを投資 | Business Insider Japan

日本からも挑戦する企業が出ているようです。

阿部養庵堂薬品:

「10歳若返り」で賞金150億円、阿部養庵堂薬品が世界最大級の抗老化技術コンペディション「Xプライズ ヘルススパン」に挑戦 | 株式会社 阿部養庵堂薬品のプレスリリース

この企業へは、「今回の新技術は、NMN」(ニコチンアミドモノヌクレオチド:若返り成分)に複数の低分子成分を組み合わせることで、老化の進行を食い止めるだけでなく、逆転させる可能性」が期待されているようです。

TAZ(タズ):

「10年若返り」に賞金1億ドル 日本発、不老長寿ビジネスの挑戦 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

この企業は、先にあげた4つの分類の2と3、「代謝のコントロール」と「老化細胞の除去」というアプローチで不老長寿の実現を目指しているということです。

さて、6年後までに1億ドルを手にする者・企業は現れるでしょうか? また、時計の針を10年巻き戻せた高齢者はどのような感想を語るのでしょうか? 興味深く見守っていきたいと思います。

高輪いきいきプラザ H.H.

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