2024.11.15
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陽子線治療をより有効に
ご存じのように、がんの治療法には外科手術、化学療法、放射線療法がありますが、よく耳にする「陽子線治療」は、その放射線療法のひとつ。内容は、「水素の原子核(陽子)を加速してエネルギーを高めてできる陽子線を治療に使う」のだそうです。この治療法は治療効果が高く、体への負担や副作用が軽いと言われています。また、陽子線は、「設定した深さに到達したときに最大のエネルギーを放出して停止する」という物理的特性を持っているため、病巣のある深さに合わせて陽子線の照射を設定すれば、その病巣にあたった時点で最大の効果を発揮して停止し、奥までは突き抜けないというのが特徴です。つまり、この方法は治療効果が高く、体への負担や副作用が少ないと言われています。とは言っても、「陽子線治療をより有効なものとするためには、正常組織への線量をさらに低減させる照射技術の開発が喫緊の課題となっている」との背景から、大阪大学大学院医学系研究科放射線治療学らの研究グループは、今回、「住友重機械工業が次世代陽子線治療システム向けに開発した超電導AVFサイクロトロンを用いて高線量を超短時間で細胞に照射し、常酸素下の超短時間照射で細胞生残率が増加すること」を世界で初めて実証したと発表しました。本研究グループは、今回の研究結果によって副作用の少ないがん治療法(FLASH陽子線治療)への応用が期待できる、と結んでいます。
世界初!超短時間・高線量の陽子線照射による 常酸素下での細胞生残率の増加を実証 - ResOU
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。高輪いきいきプラザ SM