2024.11.15
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大脳白質病変とは?
大脳白質病変がどうようなものかご存じですか。端的に言えば、脳深部の大脳白質に起こった虚血状態のことです。原因は、加齢や高血圧など。大抵は、無症状ですが、白質病変が増加すると脳の細い動脈が硬化し、脳梗塞の原因にもなるそうです。さて、「MRIで見られる大脳白質病変は脳卒中や認知症の発症に関わる重要な所見ですが、アジア人における遺伝的要因は明らかになっていなかった」とか。そこで、 九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野及び慶應義塾大学らの共同研究グループは、大規模認知症コホート研究に参加した約9,500人の脳MRI検査とゲノム情報を用いて、大脳白質病変に関連する遺伝子領域を検討したそうです。その結果、 「東アジア人で比較的多く見られるGFAP遺伝子の変異が大脳白質病変に関連していることを示し、さらにこれまで報告されていなかった新たな領域1か所同定した」と発表しました。本研究グループは、今回の研究結果によって、「脳卒中や認知症のリスクの推定に役立つ可能性があります。さらに今後、異なる地域や人種を対象にした国際的な大規模研究を実施することで、大脳白質病変の遺伝的要因の詳細な検討が可能となり、地域や生活環境、文化背景による大脳白質病変の遺伝的影響の違いが明らかになることが期待されます」と結んでいます。
GFAP遺伝子の変異が認知症の発症に関わる大脳白質病変に影響-脳画像所見における遺伝的要素の新知見-:[慶應義塾]
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。 高輪いきいきプラザ SM