港区立高輪いきいきプラザ

2023.12.08

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騒音とバッタの食性変化

喧騒の中、車などから出る騒音が野生動物に与える影響が問題視されていますが、無脊椎動物に対する騒音の影響については、十分な調査が行われてこなかったそうです。そこで、北海道大学大学院地球環境科学研究院らの研究グループは、騒音の一つである自動車騒音が、「無脊椎動物消費者であるバッタ類の食性を多様化させ、その影響は騒音が十分減衰する騒音源から300m程度の範囲でも生じることを解明した」と発表しました。今回の調査で、騒音がバッタ類の食性を変化させることが初めて明らかになったとか。つまり、騒音に晒されたバッタ類は食物の多様性が増し、騒音の音圧が背景騒音と同程度の所でもまだその影響が及ぶことが分かったそうです。この食性の変化は、騒音の間接効果ではなく、騒音の直接効果によって説明されることが分かったとか。本研究グループは、騒音汚染は気づきにくく、陸地での生態系機能を担う無脊椎動物の食性に影響するほど重要な要因であること、その影響は従来想定されていた範囲よりも広域に及ぶ可能性があることが明らかになったと述べています。地球環境の変化を、人間や哺乳類のみならず、植物や昆虫類などの視点からも見据えることで、その重要性が際立ち、さらに深い理解につながるのではないでしょうか。

新着情報: 騒音下で多様なものを食べるバッタたち~自動車騒音が道路から数百メートル以内のバッタ類の食性変化を引き起こすことを解明~(地球環境科学研究院 准教授 先崎理之) (hokudai.ac.jp)

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