2024.11.06
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歩行データで成人脊柱変形を分類するアプローチを開発
人間の歩行姿勢から成人脊柱変形(ASD)などの歩行異常を伴う疾患を見分ける新しいアプローチを開発した、と発表したのは筑波大学システム情報系および医学医療系整形外科らの研究グループです。実は、「成人脊柱変形は脊椎の変形により歩行パターンに影響を与えるため、その診断には歩行の観察が有効で、近年では、動画像を用いた深層学習技術が用いられていましたが、その従来の方法では、人間の歩行特性の分析が十分に行われず、診断の重要な指針となる、歩行時の姿勢と動作が見逃されることがあった」との背景から、本研究グループは「動画像の深層学習を用いて、歩行のリズムや体の動きの対称性を正確に捉える方法を開発」し、歩行の繰り返し(周期性)や、左右の脚および体の動きの対称性を詳細に分類することが可能になったとか。実際、81人の患者の歩行動画を用いてこの手法の検証を行ったところ、「正解率71.43%を達成し、従来の方法(正解率66.30%)よりも正確に歩行異常を分類でき、ASDの診断に有効であることが確認された」と述べています。本研究の成果によって、今後、臨床現場においてリアルタイムで動画像を解析できるようになれば、その場で診断結果を確認し、迅速な診断が可能になるだろうと期待を寄せています。
画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM