港区立高輪いきいきプラザ

2024.10.25

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クシクラゲの融合

刺胞動物のクラゲとは全く別の動物群であるクシクラゲ。その傷ついた2個体が、わずか数時間で融合して、まるで1個体のように振る舞う現象を新たに発見した、と発表したのは自然科学研究機構生命創成探究センター/基礎生物学研究所の研究グループです。実は、クシクラゲは高度な神経系や筋肉、消化器をもち、様々な生理学的ふるまいを示すそうです。本研究では、水槽の中から、口を2つ持った一回り大きい異様な形態の個体を偶然発見し、そこで、この1個体のように見えるクシクラゲが、別々の2個体が1個体に融合したのではないかと推測。いくつかの実験を行った結果、「体の一部を切除した個体を2個体用意し、切除部分が接触するようにピンで固定し一晩静置させることにより高確率で融合個体を作成できることが分かった」と述べています。加えて、実験開始から約30分後に2個体の切除部分が徐々に癒着し始め、1時間後にはその境界はほとんど見分けがつかない程度に融合したことを確認。その後、徐々に両者の筋収縮が同期し始め、2時間後にはその同期率は9割に達したというのです。今回の研究では、偶然発見したクシクラゲの奇妙な融合現象を明らかにしたというわけです。本研究グループは、今後「融合した個体どうしが遺伝的にどれくらい離れているのかを調べたり、実際にクシクラゲの神経細胞の活性を可視化し、生理機能がどのように協調されているのかを観察したりすることで、融合の分子メカニズムに迫りたい」と結んでいます。
プレスリリース - 2匹のクシクラゲが1匹に融合する現象を発見

画像はプレスリリースから引用させていただきました。 高輪いきいきプラザ SM

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