2024.10.09
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アルツハイマー型認知症と抗うつ薬
アルツハイマー型認知症は、認知機能に関わる脳内のコリン作動性神経の機能が低下しているため、発症すると、記憶力の低下などが生じ、また多くの患者でうつ症状を認めることがあるそうです。そこで、東邦大学薬学部薬理学教室らの研究グループは、「9種類の抗うつ薬がアルツハイマー型認知症患者の認知機能に影響を与えずに、うつ症状を改善できる可能性を明らかにした」と発表しました。本研究では、臨床で使用されている32種類の抗うつ薬が脳内で抗コリン作用を発揮する可能性を検討したそうです。その結果、9種類の抗うつ薬が脳内でほとんど抗コリン作用を示さないことが明らかとなったと述べています。そして、「これらの抗うつ薬は、脳内のコリン作動性神経に影響を与えにくいため、アルツハイマー型認知症患者のうつ症状の治療に適している可能性がある」とも述べています。ご存じのように、アルツハイマー型認知症は神経変性疾患の1つであり、その罹患率は全世界で大幅に増加傾向にあります。その多くの患者では、認知機能や学習機能に関与する脳内のコリン作動性神経が障害されていることが知られています。そのため、脳内のコリン作動性神経に影響を与えにくい抗うつ薬を明らかにすることは大変重要であると言えます。
アルツハイマー型認知症患者に推奨できる抗うつ薬を明らかに | プレスリリース | 東邦大学 (toho-u.ac.jp)
画像はプレスリリースより引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM