2024.10.09
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受動喫煙と片頭痛
喫煙が肺がんをはじめとする多くのがん、心臓病や脳卒中などの循環器疾患、喘息や慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患にかかるリスクを高めることは周知の事実です。不幸なことに、そのリスクは、たばこを吸わない人へ及びます。「喫煙者が吸い込む煙(主流煙)だけでなく、たばこから立ち昇る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出す煙(呼出煙)にも、ニコチンやタールはもちろん、多くの有害物質や発がん性物質が含まれています」(政府広報オンラインより引用)。この、本人は喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。実は、たばこの有害物質は、主流煙よりも副流煙に多く含まれているといわれています。さて、本題です。慶應義塾大学医学部内科学教室らの研究グループは、「受動喫煙が片頭痛に与える影響を調べるため、タバコの煙に曝露したマウスと非暴露のマウスを用いて片頭痛モデルにより、片頭痛の感受性を検討した」と発表しました。その結果、「雌マウスでは、非爆露グループと比較して、暴露グループの片頭痛の感受性が有意に高まることが明らかになった」というのです。 「片頭痛は有病率が8.4%と頻度の高い疾患。特に、女性では男性よりも3.6倍 高いことが報告されている」とか。実は、片頭痛の誘発に関わる因子にはストレス、睡眠不足、天気、 香水など、様々な要素が含まれますが、受動喫煙も、その一つだというのです。本研究グループは、「今後も、未解明の誘発に関わる因子についてさらに多角的な研究を進め、片頭痛患者に 対する生活指導や治療方針へ貢献することを目指します」と述べています。
受動喫煙が片頭痛に与える影響-マウスを用いた検討-:[慶應義塾] (keio.ac.jp)
画像はプレスリリースから引用させていただきました。 高輪いきいきプラザ SM