2024.10.02
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中級者と上級者の違いは?
例えば、テニスのような競技では、ボールを交互に打球し、相手の打球に必ず対応しなければならないため、自らの打球コースで相手をコントロールすることも可能な競技と言えますが、「実際の試合において、選手たちはどういった配球をしているのでしょうか。また、そこには相手を打ち負かすどんな戦略があるのでしょうか」。こうした疑問から、「ソフトテニスの試合中の打球コースの系列を分析してみると、熟練者は中級者に比べて規則性をたくさん使っていることがわかった」そうです。新潟総合学園新潟医療福祉大学心理健康学科らの共同研究グループが明らかにしました。具体的には、「打球コースとそれに対応するコート上の動きをシミュレーションにより解析したところ、中級者の規則性は熟練者よりもランダムに近い系列であることが分かった」とか。つまり、「熟練者は自らが規則性を生み出すことで、相手にその規則性を予測させ、相手が規則性を予測した時点でその予測を裏切るような戦略をとっている」というのです。ともあれ、中級者のショット角度は上級者と比較して不規則に近く、この結果からその都度自分のやりたいことをでたらめにやる傾向があるのに対し、上級者は「規則性をうまく使いながら相手と駆け引きをしている」と述べています。こうした気づきにくい規則性が大事な勝敗を分けているのですね。
20240927pr.pdf (yamanashi.ac.jp)