2024.09.20
- ニュース
新しいがん免疫細胞療法とは?
かずさDNA研究所と岡山大学学術研究院医歯薬学域腫瘍微小環境学分野の共同研究グループは、「免疫細胞の脂質代謝を調整することで、がんの増殖を抑える機能が強化される仕組みを明らかにした」と発表しました。本研究グループによると、「免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を組み合わせた治療法には、特定の腫瘍にしか効果がないなどの限界がある」とのことで、一方、免疫細胞の一種であるTh9細胞がマウスの腫瘍に対して強い抗がん作用を持つことが明らかになっていますが、その働きについてはまだよく解明されていないようです。そこで、本研究では、「Th9細胞の機能制御メカニズムを解明し、がん治療への応用を目指した」と述べています。そして、その結果、「Th9細胞が作り出す脂肪酸の合成を阻害することで、がん抑制効果が向上することを発見した」というのです。また、「脂肪酸合成を阻害したTh9細胞と免疫チェックポイント阻害薬を併用すると、がんがほぼ完全に消失することも確認された」とも述べています。本研究グループは、「この研究成果は、悪性黒色腫に対する新たな治療法の可能性を示しており、代謝をターゲットにした新しいがん免疫細胞療法の実現が期待される」と結んでいます。
免疫細胞の抗腫瘍効果を強化する仕組みを発見 - 国立大学法人 岡山大学 (okayama-u.ac.jp)
画像はプレスリリースを引用させていただきました。SM