2024.09.13
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新たな痛みの制御
近畿大学大学院医学研究科及び奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科附属メディルクス研究センターらの研究グループは、「独自に作製した抗体をマウスに注射すると、神経に集積して神経細胞の刺激伝導をブロックすること、また、 疼痛が抑制されて鎮痛効果が24時間持続することを明らかにした」と発表しました。本研究の背景ですが、下記のように説明しています。「痛みは身体の危険を知らせる基本的かつ重要な感覚ですが、過剰な痛みや薬剤の副作用としての疼痛は、QOLの低下や治療の妨害につながります。疼痛の治療には、さまざまな種類の鎮痛薬が用いられますが、作用時間が短く、胃粘膜への影響や喘息発作、肝障害等の副作用が問題視されています。また、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬でも抑えることができない難治性疼痛に対しては、未だ有効な治療薬がありません」。当プレスリリースによると、本研究成果は、「末梢の神経線維にある接着分子を標的とした抗体による疼痛制御という新たな分野を開拓したものであり、既存の鎮痛薬では治療できない難治性疼痛に対する新しいアプロー チの可能性も示した」と述べています。つまり、文字通り、「新しいメカニズムでの疼痛制御の可能性を示しており、従来と比較して長時間効果を発揮する鎮痛薬への応用が期待できる」というわけです。