港区立高輪いきいきプラザ

2023.11.29

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フジタの肌質感を解明

画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)の肌質感の秘密を解明した、と発表したのは国立情報学研究所らの共同研究チームです。本チームの調査ではハイパースペクトル・カメラと蛍光スペクトルをデジタル上で分岐する技術を使い、フジタが蛍光発光する顔料の性質を把握し、あの独特な肌質感の再現のために意図的に異なる顔料を使い分けていた可能性が高いと結論付けました。ご存じのように、フジタは1920年代「乳白色の肌」「乳白色の下地」と称された肌質感を出すために独特の技法を使っていたことは知られていましたが、フジタの意図した肌質感の再現がどのようなものなのか、不明な点が多くあったとか。今回の研究では、フジタは「異なる蛍光発光する白を使い分けていたこと」、「肌と背景の白の表現は異なっていたこと」、「異なる蛍光発光の白の使用は、肌の表面反射と内部の散乱を描き分けるためであったこと」「肌の構造ではなく、肌の光学特性を真似ていたこと」などが分かったそうです。因みに、同時代の画家が蛍光発光を意図的に使用しているかを、ルノワール《レースの帽子の少女》(1891年)、フジタの師にあたる黒田清輝《野辺》(1907年)、黒田の師にあたるラファエル・コラン《眠り》(1892年)を取り上げ、また師からの技術的な継承があるかどうかも含めて調査した結果、ルノワールについては「蛍光成分のある白が、帽子や肌のハイライトに分布しているが、肌内部の散乱などは意識されていない」ことが判明し、また黒田清輝では「耳などには、蛍光成分が見られるが、各成分の空間配置を確認するとあまり意図的に描いてはいない」ことも分かったそうです。そして、ラファエル・コランでは「耳、唇、鼻、頬など、赤の肌内部の散乱が空間配置を考慮して描かれているように見える」と伝えています。従って、このことから、コランが意図的に使用したと考える蛍光成分を持つ顔料(一つ)を発展させて、複数種類の蛍光発光を持つ顔料による肌質感を描き分ける表現は、フジタ特有のものであると結論づけました。恐るべし、フジタですね。

 

フジタは紫外線によって赤、緑、青に蛍光発光する3種類の白を使い分けていた!~レオナール・フジタ(藤田嗣治)が描いた肌質感の秘密を、蛍光スペクトル解析によって解明~ - 国立情報学研究所 / National Institute of Informatics (nii.ac.jp)

 

 

 

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