港区立高輪いきいきプラザ

2024.06.21

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トンビが鷹を生む?

北海道大学大学院生命科学院らの研究グループは、「歌鳥(鳴禽類スズメ目)で近縁種ではあるが異なる特徴の歌を持つキンカチョウとサクラスズメのハイブリッド個体が、親種よりも多様な歌を学習できる能力を持つこと、また脳内興奮性投射神経細胞の遺伝子発現特性が、発声学習能力の拡大と機能相関を持つことを明らかにした」と発表しました。具体的には、歌鳥のオスの雛は、父親の歌を手本にして自発的な発声練習を繰り返し、成鳥になるころには父親とよく似た歌を歌えるようになっているそうです。加えて、他種の歌よりも同種の歌を上手に学ぶという学習バイアス(学習拘束性)を持っているとか。本研究の結果は、「子の学習能力は、必ずしも父親と母親の中間にはならない場合もあることを実験的に示している」と言います。自種の歌を一種類しか学習しない親種の間に、様々な特徴の歌を潜在的に学習できるハイブリッド個体が生まれたという本研究の発見は、まさに「トンビが 鷹を生む」の一例であると、本研究グループは述べています。今後は、「どのような親種の組み合わせのとき、どのような学習形式のときに、親の形質よりも子の形質が上回ることがあるのか、それがどのようなゲノム基盤のもとで起こるのかについては、さらなる研究が必要である」と結んでいます。

240620_pr.pdf (hokudai.ac.jp)

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