2024.06.05
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あいづちがもたらす恩恵とは
「オーバーラップ(声が重なり合わさること)やあいづちによって協調的に会話が進行する『共話』の共創プロセスを取り入れた新しいコミュニケーションデザインのコンセプト」を提案するのは早稲田大学大学院文学研究科らの研究チームです。具体的には、会話におけるあいづちの役割に注目し、あいづちを動的に挿入するあいづちボットを開発。人とボットの会話においても、ボットがあいづちを打つことで、会話がより親しみやすく協力的に感じることが明らかになったというのです。加えて、人間がボットに対して人間らしさを主観的に感じていたとも述べています。今後、「人間とコンピュータのインタラクションデザインに新たな視点が加わり、コンピュータを介したユーザ同士のやりとりにおいても、より親しみやすく協調的な関係性を築けるようなインターフェースの実現が期待できる」と結んでいます。因みに、文化人類学者の川田順三氏は、西アフリカのモシの人びとの文化における夜間に物語を語り合う集いにおいて、聞き手も積極的に会話に関与し、あいづちを打ち合い、他者の言い淀みを補完しながら共同で物語を構築する語りの形態を観察したことはよく知られています。