港区立高輪いきいきプラザ

2024.06.05

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待つか?あきらめるか?

 

「待つか?あきらめるか?未来の報酬を待ち続けるための脳機能を解明した」と発表したのは、群馬大学情報学部と慶應義塾大学大学院理工学研究科らの研究グループです。将来の報酬を待ち続けるかどうかを連続的に決めるときのヒトの脳活動を計測したところ、待ち続けているとき、将来の期待を反映する脳活動が前頭前野と海馬で観察されたと述べています。また、待ち続けているときに前頭前野の活動が小さくなると、ヒトは待つのをやめたそうです。それは、いったいどういうことなのでしょうか。「ヒトが魚を釣る状況を考えてみます。ある釣り場で魚が釣れたとします。その後、釣り人は、その場所で釣りを続けるか離れて他の釣り場に行くかを決めます。ここで重要なことは、その場で釣りを続けているときにはその場にとどまるか、他の釣り場に移るかを判断し続けていることです。(中略)釣れることが期待できれば今の釣り場にとどまり、期待できなければ離れて他に移ります。この例が示すように、採餌行動では過去の経験をもとに今の餌場で餌が得られるかを期待し、とどまるか、離れるかを決めるのですが、その時にヒトの脳はどのように機能しているかは知られていなかった」そうです。本研究では、ヒトが未来の報酬を待ち続けるには前頭前野と海馬における将来の期待を反映する脳活動が重要であることを発見したそうです。つまり、今回の研究結果は、「報酬を得た過去の経験に基づいて『待つか、待つのをやめるか』という決定をヒトが連続的に行う状況で、前頭前野と海馬の活動の時間的変化が行動に重要な役割を果たすことを示唆している」と結んでいます。

https://www.inf.gunma-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024/05/%E2%97%8BHPShintaki_Cereb_Cortex_2024.pdf

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