港区立高輪いきいきプラザ

2024.05.31

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老化細胞除去薬って何?

 

私たちの永遠のテーマであるアンチエイジング。肌や骨などの老化の元凶とも言われるAGE(終末糖化産物)を増やさない、酸化ストレスを減らす、そうした話題の尽きないなか、「すでに臨床応用されている薬剤から、加齢関連疾患への治療応用を可能にする老化細胞除去薬を同定した」と発表したのは、順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座らの研究グループです。本研究グループは、「尿への糖の排出を促進することで、血糖を低下させる糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)の投与によって、カロリー制限を模倣した状態となり、老化細胞の蓄積が抑制され、その除去が促進される」と述べています。本研究グループでは、「これまで30年以上にわたって加齢関連疾患の発症メカニズムについて研究を進め、加齢やストレスによって組織に老化細胞が蓄積し、それによって引き起こされる慢性炎症が、加齢関連疾患の発症・進展に関わっていることを明らかにしてきた」といいます。さらに最近、蓄積した老化細胞を除去することで、加齢関連疾患における病的な老化形質を改善しうることが示されている、ともいいます。ただ、これまで報告されている老化細胞除去薬は、抗がん剤として使用されているものが多く、副作用の懸念があったとか。そこで研究グループは、「より老化細胞に選択的に作用し、副作用の少ない治療法の開発を目指して研究を行ってきた」とのことです。本研究グループは、「糖尿病や動脈硬化、フレイルに対する改善効果や早老症に対する寿命延長効果を確認できたことで、今後はアルツハイマー病を含めた様々な加齢関連疾患での検証や、ヒトへの臨床応用が期待される」と結んでいます。

臨床応用可能な老化細胞除去薬の同定に成功|ニュース&イベント|順天堂大学 (juntendo.ac.jp)

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