港区立高輪いきいきプラザ

2024.05.31

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心不全死への新たな予防法

心不全が「なぜ再発するのか」「どのように他の臓器に影響するのか」の仕組みを明らかにした、と発表したのは、東京大学大学院医学系研究科及び千葉大学大学院医学研究院の研究グループです。心不全は一度発症すると再発を繰り返し、他の病気にもよくかかることが特徴だそうです。本研究グループは、「一度心不全を発症すると、入退院を繰り返す」「他の病気にも影響する」という点に着目し、「心不全になると、そのストレスがどこかに蓄積する」と仮説を立てて研究を行った結果、「心不全になった際にストレスが骨の中にある造血幹細胞に蓄積することを発見した」そうです。この造血幹細胞ですが、本来は心臓に対して心臓を保護する免疫細胞を供給しますが、ストレスが蓄積すると、造血幹細胞はその保護的な免疫細胞を作り出すことができなくなるそうです。その結果、心臓の機能悪化を引き起こし、再発しやすい原因となることが分かったと述べています。本研究では、どのようにするとストレスの蓄積を予防できるかを検討。心不全のモデル動物において、心不全時に骨の中で不足する「活性型 TGFb」を注射で補うと、ストレス蓄積を予防することができたとか。本研究グループは、今回の研究が「心疾患による心不全死や心臓突然死の新しい予防法、治療法の開発に貢献することが見込まれるとともに、今後は心不全発症前の超早期発見や、発症前に治療を行う未来の治療につながることが期待される」と結んでいます。

因みに、「活性型 TGFb」とは、人間の体内で重要な役割を果たすタンパク質の一種です。このタンパク質は、細胞の成長、分裂、および修復を 助ける働きを持っています。また、免疫システムの機能を調節することで、体が過剰に反応することを防ぎ、炎症を抑える効果もあります。

240527_heart_failure02.pdf (chiba-u.jp)

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