港区立高輪いきいきプラザ

2024.05.24

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ビタミンB投与とパーキンソン病

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科神経遺伝情報学らの研究グループは、「日本・アメリカ・台湾・中国・ドイツのパーキンソン病患者のショットガンメタゲノムデータを用いて腸内細菌叢のメタ解析を行い、ビタミン B の生合成酵素に関連する腸内細菌遺伝子がパーキンソン病患者で減少していることを明らかにした」と発表しました。実は、健常人においても腸内細菌叢は国ごとに大きく異なることから国を超えてパーキンソン病と関連のある腸内細菌・細菌遺伝子・代謝経路を明らかにすることは困難であったそうです。そこで、本研究チームは、パーキンソン病患者の協力を得て腸内細菌叢解析を実施。次に、「国を超えて腸内細菌叢を統合解析するメタ解析(過去に行われた複数の研究結果を統合し,より信頼性の高く普遍性のある結果を得るための統計的解析手法)を用いて、過去に報告されたアメリカ・台湾・中国・ドイツの 4 カ国のパーキンソン病患者の腸内細菌叢と合わせてメタ解析を行なった」とのことです。その結果、パーキンソン病患者でリボフラビンとビオチン合成酵素に関連する細菌遺伝子が減少していることがわかったそうです。加えて、「リボフラビンとビオチン合成酵素に関連する細菌遺伝子と腸内短鎖脂肪酸とポリアミンの間に正相関があることがわかった」と述べています。つまり、リボフラビン*4(ビタミン B2)とビオチン*5(ビタミン B7)補充療法がパーキンソン病患者の治療として有効である可能性が示唆されたというのです。本研究グループは、今回の結果が「パーキンソン病の病態の解明と新規治療法開発につながることが期待できるだろう」と結んでいます。

 npj_240523.pdf (nagoya-u.ac.jp)

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