港区立高輪いきいきプラザ

2024.05.24

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仮想現実(VR)空間でアバターを使用

仮想空間の有効性を「医学の分野」で活かした試みです。「人が仮想現実(VR)空間で筋肉質体型のアバターに没入していると、その間の痛み知覚が軽減することが分かった」と発表したのは、筑波大学システム情報系の研究グループです。人は仮想現実(VR)空間でアバターを使用すると、時としてそのアバターの容姿に影響を受けて、振る舞いや知覚などが変化すると言われています。これをプロテウス効果と呼ぶそうです。例えば、「ユーザーの異性に対する振る舞いが変わったり、重さに対する知覚が変わったり」というように。本研究では、このプロテウス効果がユーザーの痛み知覚に与える影響を明らかにしたというのです。具体的には、被験者らが「ヘッドマウントディスプレイを装着し、VR空間で条件毎に指定されたアバターを使用しながら特定のタスクを実行」。その際、現実空間において被験者の腕に痛みを模した熱刺激を与え、痛みの知覚度合を比較したところ、「筋肉質アバターを使用時には、通常体型アバターの使用時と比較して、痛み評価スケール(PAS)上で約16%低い痛み値が実験参加者から報告された」と述べています。加えて、「実験参加者の性別と使用アバターの性別が同じ場合は、同じでなかった場合より有意に低い痛み値が報告されていたことも分かった」と言います。本研究グループは、「麻酔や薬品などを用いずに痛みをコントロールする手段としてのVR技術活用に具体的な知見をもたらすもの」と結んでいます。

 創基151年筑波大学開学50周年記念特設ウェブサイト (tsukuba.ac.jp)

 

 

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