2024.05.22
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アジアンフラッシュ体質とコロナ感染
アジアンフラッシュという言葉を聞いたことがありますか?少量のアルコールでも、顔が真っ赤になる反応のことを「アジアンフラッシュ」と呼び、東アジアの人に多い体質なのだそうです。そして、日本人の半数がこれに該当するようです。このフラッシュ反応ですが、アジアンフラッシュ体質になりやすい遺伝子を持つ人は、酒に含まれるエタノールの代謝物のアセトアルデヒドを解毒する酵素の働きが弱いのが特徴です。さて、前置きが長くなりましたが、佐賀大学医学部らの研究グループによると、「アジアンフラッシュ体質はrs671遺伝子変異の代替マーカーであることから、rs671変異がCOVID-19に対し保護的であると考えられる」というのです。加えて、「アジアンフラッシュ体質は、COVID-19だけでなく、その他ウイルスや細菌、原虫による感染症、および免疫能に関連する疾患リスクにも影響する可能性が考えられる」とも述べています。確かに、 日本のCOVID-19罹患率および死亡率は、OECD加盟国38ヶ国の中でも大変低いことを考慮すれば、今回の研究から、アジアンフラッシュ体質がCOVID-19の防御因子の一つであることが示唆されるのではないでしょうか。本研究グループは、「今後はメカニズムの検証を進めると同時に、新型インフルエンザ感染症パンデミック(鳥インフルエンザ感染症がヒト感染能を獲得した後に生じることが懸念されています)を見据えた研究活動を計画する予定です」と結んでいます。
お酒を飲むと顔が赤くなるアジアンフラッシュ体質が新型コロナウイルス感染症に対し防御的であることを報告 | 佐賀大学広報室 (saga-u.ac.jp)