2024.05.22
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水虫と悪性黒色腫
「足白癬 (あしはくせん・水虫)が足の裏のメラノーマ(悪性黒色腫 、メラノサイトのがん)の発生に相関があることを発見した」と発表したのは東京慈恵会科大学皮膚科学講座の研究グループです。当プレスリリースによると、足底の悪性黒色腫の発生には物理的な刺激との相関が想定されていたそうです。しかし、今回の研究により、初めて足白癬との相関を発見したと伝えています。この発見により、足白癬の治療や予防がこれまで困難とされてきた足底に発生する悪性黒色腫の予防につながることが期待できると述べています。具体的には、足底の悪性黒色腫を有する患者 30 例(悪性黒色腫グループ)、および、足底の悪性黒色腫以外の皮膚病変を有する患者 84 例(非悪性黒色腫グループ)を対象に、これらの患者の足底を顕微鏡で検査した結果、悪性黒色腫グループでは 60.0%、非悪性黒色腫グループでは 29.8%が足白癬に罹患していることが分かったそうです。つまり、悪性黒色腫グループのほうが高確率で足白癬に罹患していたというわけです。この結果は白癬が足底悪性黒色腫の発生に関与している可能性を示していると述べています。本研究グループは、今後は「白癬と発がんの関連を分子レベルで解明したい」を結んでいます。
プレスリリース - 学校法人慈恵大学 (jikei.ac.jp)