2024.05.22
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水分摂取と腸内環境の深い関係
熱中症対策に、水分補給は必須ですが、腸にも良い影響を与えているようです。「飲水不足が腸内環境を悪化させ、病原細菌の排除能を低下させることを発見した」と発表したのは、北里大学、慶應義塾大学の研究グループです。「十分な水分摂取は腸内細菌叢と免疫系の恒常性を維持し腸管感染症に対する防御能を高める」とのこと。逆に、飲水不足が腸内環境を悪化させ、病原細菌の排除能を低下させるのだそうです。つまり、腸内環境の維持に飲水が不可欠であると訴えます。ご存知のように、水は身体の50%以上を占めていて、消化吸収や栄養素・老廃物の運搬、体温調節など、さまざまな役割を担っているのです。今まで「水分摂取の不足は代謝性疾患の発症や早期死亡などとの関連性が報告されていました」。しかし、「腸内細菌叢や免疫系を中心とした腸管への影響については十分に理解されていなかった」とか。そこで、水分摂取量を制限した際の腸内環境を詳細に解析することに。本研究では、飲水制限をしたマウスは、腸内通過時間の遅滞、排便量の低下を伴う便秘症を発症し、さらに飲水制限により、腸内細菌叢の構成が変化し、腸内細菌の総数が増加することが分かったそうです。本研究グループは、「水」が腸内環境に与える新たな役割が解明された、と結んでいます。
十分な水分摂取は腸内細菌叢と免疫系の恒常性を維持し腸管感染症に対する防御能を高める-腸内環境の維持に飲水が重要であることを発見-:[慶應義塾] (keio.ac.jp)