2024.05.22
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紅藻ダルスの新たな活用
利用価値の低いものに新しい価値を見出す試みに取り組んでいるのは、北海道大学大学院水産科学研究院らの研究グループです。本研究グループは、「低利用資源の紅藻ダルスの中でも、色落ちによって価値がより低くなるダルスの活用を目指し、オリゴ糖を調製した」と発表しました。ダルスというのは、寒い地域に生育する紅藻で、日本では北海道から岩手県にかけて生育しているそうです。因みにカナダ料理やアイルランド料理ではよく利用されるとか。1、2月のダルスは赤色ですが、4月以降になると色落ちが生じるようです。そうした色落ちしたダルスは、フィコビリタンパク質の量が減少するため、価値が一層低下してしまうのだそうです。そこで本研究では、色落ちしたダルスに含まれる成分を明らかにし、その有効利用を試みたというわけです。具体的には、「色落ちしたダルスには細胞壁多糖のキシランが多く含まれていますが、そこからオリゴ糖を調製し、その機能性として血糖上昇に関わるα-アミラーゼとα-グルコシダーゼ阻害活性を調べたところ、オリゴ糖の阻害活性は検出されましたが、薬として使われているアカルボースに比べて弱いものだったとの事。実は、このような弱い活性は大量摂取による副作用の危険性が少なく、食事と一緒に摂取できることなどから血糖上昇を緩やかにする可能性があるだろう」と述べています。本研究グループは、「価値の低いダルスからオリゴ糖が調製でき、その機能性として血糖関連の酵素に対して弱い阻害を示すことで、低利用資源ダルスの有効活用に期待が持てるだろう」と結んでいます。
新着情報: 色落ちした紅藻"ダルス"から血糖抑制が期待されるオリゴ糖を調製~低利用資源の有効活用への貢献に期待~(水産科学研究院 准教授 熊谷祐也) (hokudai.ac.jp)