2024.05.17
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レビー小体型認知症の早期発見および早期ケア
認知症の中でアルツハイマー型に次いで2番目に多いレビー小体型認知症。他の認知症と比較して進行が早く、症状も多岐にわたるため患者のQoL(生活の質)低下が著しいとのことです。そのレビー小体型認知症を「AIの深層学習モデルを用いた音読中の発話音声データ分析から、固有の感情表現の変化を特定し、認知機能の低下や脳領域の萎縮との関連を見いだした」と発表したのは、筑波大学医学医療系の研究グループです。患者の音声感情表現の変化を利用して、レビー小体型認知症者と他のグループを識別出来ると述べています。残念ながら、レビー小体型認知症者に関して、「感情表現の程度を客観的・定量的に評価した研究」はこれまでなかったそうです。本研究では「認知機能に障害のない高齢者(健常群)から音読中の発話音声データを取得し、AIによる深層学習モデルを用いて、音声に含まれる感情表現の程度を定量的に比較した」とのこと。その結果、レビー小体型認知症群では、「よりネガティブで、より落ち着いた方向へ感情表現が変化し、全体的な表現性も減少することを発見した」と述べています。加えて、レビー小体型認知症者で典型的に萎縮する脳領域の一つである島皮質の萎縮と関連していたとのことです。今回開発した技術は、「レビー小体型認知症の早期発見および早期ケアの一助となると期待される」と結んでいます。