2023.11.22
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乳がん再発予防と撲滅の取り組み
乳がんと言えば、世界的に女性が罹患する最も多いがんです。日本人女性の9人に1人が乳がんに罹患することが見込まれているそうです。さらに、治療を見込める乳がんは増加傾向にある一方で、完治したはずの乳がんが数年後数十年後に転移再発するケースもあるようです。手術前に抗がん剤などで全身治療を行う「術後全身治療」後、手術して切除した部分にがん細胞が残存する症例では転移再発しやすいそうです。この転移再発するがん細胞が抗がん剤に対してどのような抵抗性を持つかは不明でした。そこで、京都大学医学研究科らの研究グループは、「幹細胞の性質を持つがん幹細胞のなかに抗がん剤などの治療に対して耐性を示す亜集団を見出し、取り出すことに成功した」と発表しました。また心不全の治療に用いられた強心配糖体を用いることで、こうしたがん幹細胞亜集団を死滅させられることが分かったそうです。本研究は、抗がん剤治療にこうした知見を活かすことで乳がん再発を予防でき、乳がん撲滅に貢献できるだろうと期待を寄せています。