2024.05.03
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肝臓で新たな免疫細胞を発見
「腸とつながる肝臓の血管付近には、腸から侵入する腸内細菌を撃退しつつ肝臓の炎症を抑える特殊な免疫細胞が存在することがわかった」と発表したのは、大阪大医学系研究科らの研究チームです。当プレスリースによると、腸で吸収される栄養分は、「門脈」という血管を通って肝臓に届くのだそうです。しかし、腸が傷つくと門脈から腸内細菌などが侵入し、肝臓に炎症を起こすことがあるとか。そこで、マウスの肝臓を使って免疫細胞の動きを観察できる独自技術を駆使したところ、門脈付近では炎症が起きにくいことを発見したそうです。その理由ですが、そこにいる「マクロファージ」という免疫細胞の中に、炎症を抑える物質を活発に出すものがあることが分かったということです。つまり、その免疫細胞が細菌を撃退し、炎症も抑えることで、肝臓のダメージを防いでいると述べています。本研究チームは、「原因がわかっていない肝疾患の発症メカニズムの一部を説明しうる成果。腸内細菌との関連も興味深く、新しい治療法につながることを期待したい」と話しています。慢性肝炎の予防や新しい治療法の開発につながるといいですね。
宮本 佑 、石井 優 ≪免疫細胞生物学≫ 肝臓の炎症を防ぐ特殊なマクロファージを発見 ~腸内細菌の刺激による免疫反応を抑える方法とは~ | 大阪大学医学系研究科・医学部 (osaka-u.ac.jp)