2024.05.01
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PVPって何ですか?
高齢になると悩みの一つに排尿に関わる症状があります。「尿が出にくい」、「尿の勢いが弱い」、「尿をするのにお腹に力をいれる」などなど。日本泌尿器科学会のHPによると、膀胱がうまく収縮できないことを膀胱収縮障害と呼ぶのだそうです。そして、「膀胱収縮障害は、メタボリック症候群に伴う膀胱の血流障害や加齢による膀胱の老化現象としてみられる」とのこと。例えば、「前立腺が肥大すると尿道を圧迫して、尿の通過障害をきたし、排尿症状を引き起こすとともに、頻尿、夜間頻尿、残尿感などの蓄尿症状や、排尿後症状も起こします」(同HPより)。実は、70歳代では10人に1人以上が前立腺肥大症と診断されているとか。さて、前置きが長くなりましたが、、前立腺肥大などで尿が全く出なくなったりする「尿閉」に関して、「レーザーを使った前立腺肥大の手術で早期に脱カテーテルにつなげる取り組みが注目されている」と報じたのは、4月30日付東京新聞の記事です。「前立腺肥大による尿道閉塞なら内視鏡手術などで前立腺を除去するのが一般的だが、出血が多い手術を高齢者に行うのはハードルが高い」(同記事より引用)のだそうです。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、2017年から積極的に、肥大した前立腺をレーザーで除去する「光選択的前立腺蒸散術(PVP)」という手術を行い、成果を挙げているとのこと。国立がんセンターでは、この「PVP」について次のように説明しています。「レーザーによって腫大した前立腺を蒸散させる手術方法です。尿道から挿入した内視鏡に光ファイバーを通し、このファイバーからグリーンライトレーザーを照射して前立腺を蒸散させます。組織の蒸散に伴い表面に凝固層が形成されるため、従来のTURPとは異なり、出血量の極めて少ない低侵襲な手術を行うことが可能です」。術後の経過も良く、治療効果は世界中で報告・証明されているそうです。因みにこの治療法ですが、下腹部や陰部を切開することはないそうです。そして、この手術に伴う費用は通常の保険診療でカバーされているそうです。
尿閉治療にレーザー手術 高齢患者 体の負担軽く カテーテルない生活実現:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)