2024.05.01
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溶連菌の感染を抑制する酵素阻害剤を発見
「人食いバクテリア」の患者数が増加しているそうです。正式な病名は、劇症型溶血性連鎖球菌感染症です。致死率は30%と高いようです。ただこの悪名高き劇症型はまれで、大抵はのど風邪程度で収まるケースが多いとか。さて、本題ですが、神戸大学大学院工学研究科らの研究グループは、その溶連菌の感染を抑制する酵素阻害剤を発見したと発表しました。
溶連菌は、DNA分解酵素(DNase)を分泌してヒトの白血球が持つ感染防御機構を破壊することで感染を有利に進めるそうですが、DNaseを阻害すれば劇症型溶連菌感染症の治療につながるというわけではなく、実際にこれまで人体に投与可能なDNase阻害剤は見つかっていなかったとか。今回、研究グループでは、Mannan 007 (Mn007)という分子がDNaseを阻害することを発見し、Mn007は水中で凝集して初めてDNaseを阻害することを発見したと述べています。本研究グループは、「将来的に、病気の原因となっている様々な酵素に対してMn007のような凝集性の酵素阻害剤を個別にデザインすることで治療薬開発ができるようになるかもしれない」と結んでいます。
分子の「塊」が溶連菌の感染を抑制することを発見 | 神戸大学ニュースサイト (kobe-u.ac.jp)