2024.04.26
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「光るカタツムリ」が受賞
その年に報告されたもっとも興味深く注目に値する軟体動物を選ぶ「国際軟体動物オブ・ザ・イヤー・コンテスト」の存在をご存じですか?その2024年の大賞に、中部大学応用生物学部大学院生らによる「光るカタツムリ」が選ばれたそうです。このコンテストの目的は、いまだ生態が十分には解明されていない軟体動物の多様性とその保護の重要性についての認識を高めることのようです。2021年にゼンケンベルグ自然史博物館とLOEWE生物多様性トランスレーショナル生物多様性ゲノミクスセンター、そして軟体動物学に関する国際学会が共同で立ち上げ、今回が4回目だとか。投票総数6,263票のうち、光るカタツムリは2位に大きく差をつけて3,279 票を獲得したそうです。主催者の一つである研究所 LOEWE-TBGは、受賞対象となった”光るカタツムリ”の全ゲノム解析を行うそうです。軟体動物で完全にゲノム配列が決定されている種は比較的わずかだとか。全ゲノム解析することで、自然に対する適応能力などを解明する糸口がつかめるだろうと述べています。因みに、軟体動物のほとんどは体の外側にかたい殻(貝殻)を持っていますが、頭足類のイカ・タコ・ナメクジなどは持っていません。貝殻はもともと外敵から身を守るために発達した器官ですが、筋肉がよく発達し、高度な運動能力を獲得したイカやタコにとっては貝殻で身を守る必要がなくなり、かえってじゃまになるため退化させてしまったといわれています。