港区立高輪いきいきプラザ

2024.04.26

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アルツハイマー病の発症を抑えるメカニズムとは

慶應義塾大学大学院医学研究科らの研究グループは、ヒト iPS 細胞由来のアストロサイト(中枢神経系に存在する非神経細胞の一種で、栄養供給や物質輸送を担う細胞)を用いて、アルツハイマー病に関わる遺伝子が発症や進行を抑えるメカニズムを解明した、と発表しました。実は、2019年にアポリポタンパク質 EAPOE)遺伝子のクライストチャーチ型は、アルツハイマー病の発症や進行を抑える可能性があると報じていましたが、そのAPOE 遺伝子のクライストチャーチ型が、どのようにして疾患の発症や進行を抑えるかは明らかになっていなかったとか。本研究では、「ゲノム編集技術を用いて APOE 遺伝子クライストチャーチ型を持つ iPS 細胞由来アストロサイトを作り、家族性アルツハイマー病患者由来の神経細胞への効果を調べたところ、アルツハイマー病で特徴的なタウタンパク質の神経細胞間の拡がりが APOE 遺伝子クライストチャーチ型を持つアストロサイトによって抑えられること」が分かったそうです。本研究グループは、今回の研究成果によって、病態脳内でみられるタウタンパク質から成る神経病理の拡がりを抑えるという新たな視点に立ち、創薬の開発につなげていきたいと結んでいます。

 

240424-2.pdf (keio.ac.jp)

 

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