2024.04.17
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FIMとBI
医療や介護の現場でリハビリを受ける方の進捗状況を評価するFIM(機能的自立度評価法)は、日常生活動作(ADL)の自立度と介護量を点数で把握できるメリットがあるそうです。また本人や家族にADLの能力を分かりやすく説明できる点、現状を知ることで治療やケアの計画の指標となる点などが挙げられます。もう一つは、BI(バーセルインデックス)ですが、これは「食事や着替えなどの日常生活動作を評価する検査方法のこと」とか。国際的なADL評価の一つだそうです。つまり、国際基準に沿った形で、リハビリが行われているということが分かります。4月17日付日刊ゲンダイヘルスケアの記事の中で、ねりま健育会病院院長の酒向正春先生がリハビリ治療の全容について詳細に語っています。それによると、リハビリの進行状況を把握できるFIMはセルフケアと交流・社会的認知で評価。「セルフケア」の評価は13項目で行い、リハビリを開始して最初の1カ月でほぼすべての項目が向上しますが、回復パターンにはバリエーションがあるとか。一般的に、セルフケアにおいて1カ月で改善しやすい動作は、「食事、整容、上半身更衣、排尿、排便、ベッド移乗」なのだそうです。次に、「下半身更衣、トイレ移乗、トイレ動作」が回復。重症例では介助がなくなるまでに3カ月以上を要すると話しています。一方、回復に時間がかかるのは「入浴洗体、風呂移乗、歩行、階段昇降」の項目で、重症例では介助がなくなるまでに6カ月以上を要することもあるようです。ともあれ、自宅退院の第1次目安は、トイレ動作と歩行が自分でできるようになること。例えば、「入浴移乗、洗体、階段昇降」に関しては、介護保険サービスを活用すれば自宅で暮らすことは可能であると酒向先生は話します。ただ、自宅退院後に悪くなるケースもあるようで、リハビリ主治医との連携が不可欠であることは言うまでもありません。リハビリと一言で言っても、患者一人ひとりの「個性」を考慮し、様々な場面を想定しなければならない、高度な知識とノウハウが必要なのですね。
能力を高めるためのリハビリ医療で「FIM」をどのように使うのか|日刊ゲンダイヘルスケア (nikkan-gendai.com)