2024.04.17
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受動喫煙と遺伝子変異との関わり
ご存じのように、たばこの煙には、喫煙者が吸う「主流煙」、喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上る「副流煙」があり、受動喫煙では呼出煙と副流煙が混ざった煙にさらされることになります(厚労省のe-ヘルスネットより引用)。問題なのは、煙に含まれる発がん性物質などの有害成分は、主流煙より副流煙に多く含まれるものがあり、マナーという考え方だけでは解決できない健康問題なのです。さて、この受動喫煙ですが、「肺がんの危険因子として知られていますが、受動喫煙と遺伝子変異との関わりは不明であった」そうです。そこで、国立研究開発法人国立がん研究センターらの研究グループは、肺がん女性の受動喫煙歴と遺伝子変異の関係を調べた結果、「受動喫煙を受けて発生した肺がんでは、受動喫煙を受けずに発生した肺がんと比べて、より多くの遺伝子変異が蓄積していることが分かった」と発表しました。その理由ですが、当プレスリリースによると、受動喫煙は、能動喫煙とは異なるメカニズムで変異を誘発し、肺の中にできた初期の腫瘍細胞が悪性化するのを促進すると推定されるとのことです。本研究での発見は、受動喫煙による健康被害を防ぐ必要性を強く示唆しており、また受動喫煙による肺がんの予防に役立つことが期待されると述べています。因みに、肺がんはがん死因の一位であり、日本では年間に約7万6千人、全世界では約180万人の死をもたらす難治がんです。たばこを吸う本人以外が周囲に流れるたばこの煙を吸う「受動喫煙」は、肺がんの原因となる危険因子であることを、ぜひお忘れなく。
受動喫煙が肺がんの遺伝子変異を誘発することを証明 受動喫煙を回避することの重要性を肺がんの発症機構からも確認|国立がん研究センター (ncc.go.jp)