2024.04.05
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湿布薬は、飲み薬よりも安全性が高い?
肩こりや腰痛などで悩まれている方は、湿布薬で痛みを和らげたいと常用されている方も多くいるはず。ところが、使い過ぎには注意が必要、と順天堂大学医学部心臓血管外科教授の天野篤氏が日刊ゲンダイヘルスケアで注意を促しています。「手軽だからといって安易に使いすぎてはいけません」と述べています。その理由ですが、「湿布薬には血圧を上昇させたり、病状を悪化させる危険がある」とのことです。天野先生の言葉を引用すると、湿布薬に含まれている代表的な成分はフェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシンの3つで、解熱鎮痛剤のアスピリン、ロキソプロフェン、イブプロフェンも同じ分類だそうです。で、少し専門的な話になりますが、前述の代表的な成分は、体内で炎症、痛み、発熱を引き起こす「プロスタグランジン」という生理活性物質がつくられるのを抑えることで症状を改善してくれる一方で、プロスタグランジンはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が作用してつくられていることから、その酵素の働きを阻害し、プロスタグランジンが産生される経路を抑制してしまうそうです。そうなると、詳細は割愛しますが、「腎臓の血管が収縮して、腎血流量が低下します。その結果、体内に水やナトリウムがたまりやすくなり、血圧の上昇や浮腫が生じる」とのことです。つまり高血圧の人は特に注意が必要です。もし上述の成分の湿布薬を多用すると、「狭心症、心筋梗塞、大動脈解離といった心臓疾患を発症するリスクが高くなる可能性がある」と天野先生は警告しています。「湿布薬は、飲み薬よりも安全性が高い」と勘違いしてはいけないようです。
日刊ゲンダイヘルスケアの記事
心臓にトラブルがある人は湿布薬を安易に使ってはいけない|日刊ゲンダイヘルスケア (nikkan-gendai.com)