港区立高輪いきいきプラザ

2023.11.17

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地球温暖化とマラリア

温暖化が進んでマラリア原虫を持った蚊が日本に定着し、流行することはありうるのでしょうか?こんな問いかけが地球環境研究センターのHPに掲載されていました。実は、日本にはすでにマラリアを媒介する蚊が生息しているのだそうです。ただ、都市化の進んだ日本では、衛生状態も良く、マラリアが全国的に流行する可能性は低いとか。とは言っても、マラリア患者の血を吸った蚊が別の人を刺すことで移るわけですから、海外旅行者が増加し、特に秘境を訪れた場合など、増える余地がないとは言えません。また、温暖化でマラリアの流行地域が拡大すれば、状況は変わっていくだろうと推測できます。因みに、上述のHPによると、マラリアを媒介する蚊は日本に2種類いるようです。症状が軽く済む、「三日熱マラリア」を媒介するシナハマダラカ。この種類は日本全国に広く分布しているようです。もう1種類は、重症の熱帯熱マラリアを媒介するコガタハマダラカ。沖縄の宮古、八重山諸島に分布しているとか。ただ、今のところ沖縄本島では見つかっていないと述べています。もちろん、さらに温暖化が進めば、安閑とはしていられないでしょう。さて、本題ですが、長崎大学の熱帯医学研究所の研究グループは「マラリアの免疫記憶を量的質的にコントロールする方法を発見した」と発表しました。具体的には、人間の免疫反応に伴い、感染初期に産出される「サイトカイン(免疫細胞の活性化や抑制の働きを持つ)」の一種インターロイキン27が、マラリア原虫に対する免疫力を持ち、抑制力を働くことを明らかにしたということです。世界では、結核やエイズと並び、世界3大感染症の一つのマラリア。インフルエンザと違い、再感染に対する抵抗性を獲得しにくいそうです。したがって、何度も感染を繰り返す厄介な病気です。今回の研究によって、ワクチン開発や感染に対する抵抗性の増強、そして治療法の開発など、将来の応用研究に役立つだろうと期待を寄せています。

 

マラリアの免疫記憶を量的質的にコントロールする方法を発見~ワクチン開発や、治療法開発における応用研究に期待~|長崎大学 (nagasaki-u.ac.jp)

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