港区立高輪いきいきプラザ

2024.03.29

  • ニュース

がんゲノム異常の全体像とは?

「がんゲノム情報管理センターに蓄積された様々ながん種由来の約5万例のがん遺伝子パネル検査データを解析し、日本人におけるがんゲノム異常の全体像を解明した」と発表したのは、国立研究開発法人国立がん研究センターらの研究グループです。近年、がんゲノム研究の進歩に伴い、発がんを促進する遺伝子異常が多数明らかになったそうです。また、個別の遺伝子異常を標的とした薬剤(分子標的薬)の開発が進み、遺伝子異常に基づいて患者ごとに適切な薬剤を投与することが可能になったそうです。従来、がんの遺伝子異常に関しては、「一つ一つの遺伝子を順番に調べる必要があった」そうですが、近年は100種類以上の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」を行うことが可能になったとか。因みに、現在「がん遺伝子パネル検査」は保険適用されています。ともあれ、「治療薬の標的となる、または、治療薬の効果予測できるゲノム異常がある症例の割合を評価することで、日本におけるがん種ごとのがん遺伝子パネル検査の臨床的有用性を明らかにした」こと、そして、「米国で蓄積されたがん遺伝子パネル検査データと比較することで、多数のがん種においてTP53遺伝子変異頻度が高いなどの日本人のがんゲノム異常の特徴が明確になった」と伝えています。今回の研究成果によって、「これまで欧米中心だったがんゲノム解析とは異なり、がんゲノム異常の人種差が示されたこと」、「日本のがんゲノム医療、創薬や臨床試験の基盤となる重要な研究であること」、そして、「日本人がん患者さんに向けた診断と治療戦略の最適化が必要であること」を示唆していると述べています。

 

日本人のがんゲノム異常の全体像を解明 ―約5万例のがん遺伝子パネル検査データを解析―|国立がん研究センター (ncc.go.jp)

 

 

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む