港区立高輪いきいきプラザ

2024.03.06

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個人の所得と腎機能の低下

個人の所得と腎機能の低下に関連があることを明らかにした、と発表したのは京都大学大学院医学研究科らの研究グループ。全国健康保険協会の生活習慣病予防健診および医療レセプトのデータ(約560万人分)を用いて調査研究を行ったとのことです。実は、これまでの研究により、慢性腎臓病の発症や進行には社会経済要因(所得、教育歴、居住地など)との関連がみられ、社会経済的地位の低い人ほどリスクが高いことが示されていたそうです。ただ、その情報は「公的な皆保険制度がなく無保険者は高額な医療費のかかる米国からの報告が多かった」とか。そこで、本研究グループは、月額収入(標準報酬月額)を基に10分位に分け、所得により腎機能低下リスクの違いがあるかを検討したそうです。その結果、所得が最も低いグループは最も高いグループと比較して、急な慢性腎臓病の進行リスクが1.7倍、腎代替療法開始のリスクが1.65倍高いことが示されたと述べています。この結果を受けて、本研究グループは、医療費の補助を中心とする現在の皆保険制度下のサービスに加えて、腎機能を保つために必要な健やかな生活を維持できる生活環境や支援体制をさらに整備していく必要性を訴えています。また、「関連するメカニズムの解明に向けて、生活習慣や治療の質の違い、社会生活上のストレスや環境の影響などを明らかにすることが求められる」とも述べています。

 2402_inoue-01fd5eefe94fa30b0a69992630c4bccf.pdf (kyoto-u.ac.jp)

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