2024.02.19
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オートファジーって何ですか?
オートファジーという言葉を聞いたことがありますか?「オート」とはギリシャ語で「自分」。「ファジー」は食べるという意味だそうです。さて、このオートファジーという細胞内のタンパク質などを分解する機能を使って植物は古くなった花びらを除去している、と発表したのは奈良先端科学技術大学院大学と理化学研究所らの研究グループです。今回の研究で、花が散りゆく仕組みを遺伝子から解明したと述べています。一方、動物では、このオートファジーの「自食作用」によって、日々細胞のメンテナンスが行われているそうです。そのことで動物細胞の健康は保たれているというのです。もし、このオートファジーが起こせなくなると、神経変性疾患やがんの発症リスクが高くなるとか。植物においても、この作用は常に起こっており、細胞内の新陳代謝を行っているのです。今までの研究ではイネやトウモロコシなどでオートファジーを制御する遺伝子が非常に多く存在していることがわかっていましたが、花でオートファジーがどのような役割を果たしているのかについてはわかっていなかったということです。本研究により、オートファジーによって古い花びらの根元の細胞の性質が変わり、その花びらが選択的に散っていくことがわかったそうです。今後は、今回判明したその仕組みを有効に使って農業や園芸の分野でも利用できるのではないかと本研究グループは期待を寄せています。