2024.02.19
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がん患者と緩和ケア
ご存じのように、緩和ケアは重篤な疾患を持つ患者の心と体のつらさを軽減し、生活の質を向上させるためのケアですが、こうしたケアを必要とする患者数は年々増えており、2060 年までに推定 4,800 万人になると言われています。ところが、これまでがん診療の従事者であっても緩和ケアの必要性は判断が困難であったそうです。そこで、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学大学院医学系研究科らの研究グループは、新たに開発した AI により、進行がん患者の緩和ケアの必要性の高精度な判定が可能になったと発表しました。この開発された AI は、既存の苦痛のスクリーニング方法(苦痛スクリーニング)より良好な予測精度を示し、すべてのがん患者を素早くスクリーニングする事が可能となり、専門家による緩和ケア提供を促進できる可能性があると述べています。つまり、AIを用いる事で、医師や看護師が時間をかけずに、緩和ケアの必要性の高い患者を確認できるようになり、緩和ケアチームとの連携をタイムリーに始められ、患者により良い医療を提供することが可能になると結んでいます。実は「がん治療と並行した早期からの緩和ケアには、生命予後が延長する効果がある可能性が明らかにされている」ということですから、本研究の今後の進展に期待しましょう!
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/02/ai-12.html