2024.02.16
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過度の胃酸抑制は胃癌発生を助長する?
胃酸の分泌を抑制する薬はピロリ菌を除菌したあとに処方されますが、その「カリウムイオン競合型アシッドブロッカー」を長期内服していた患者は、ヒスタミン H2 受容体拮抗薬の内服群と比較して、胃癌発症リスクが高まることを発表したのは、東京大学医学部附属病院消化器内科らの研究グループです。本薬剤と胃癌リスクの関連を検証した大規模スタディとしては世界で初めてだとか。「これまでピロリ菌除菌後に発生する胃癌と酸分泌抑制薬、特にプロトンポンプ阻害薬との関連の報告が散見されていましたが、同様の傾向が新たな酸分泌抑制薬であるカリウムイオン競合型アシッドブロッカーでも認められたことになり、今後ピロリ菌除菌後患者に対する処方・内服期間の適正化や内視鏡サーベイランスの徹底が必要になる可能性がある」と述べています。本研究では、過度の胃酸抑制は胃癌発生を助長する?という胃酸分泌抑制薬の功罪について研究が進められましたが、今後はこの薬の長期使用のリスクに関して、国際的なより大規模の検討がなされることが期待されると述べています。
release_20240215.pdf (u-tokyo.ac.jp)